悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
「俺、もうしにたい……」
つかさは毎日千葉から要の収容された刑務所に通った。
要はボロボロと涙を溢し、心も身体も疲弊していた。
「こんなことになって家族にも迷惑かけて……もうしにたい」
「バカなこと言わないで!」
「でも、おれ……っ」
「私は絶対に諦めない! 要の無実を証明するまで絶対に諦めないから!」
こんなこと、許されていいはずがない。
真犯人も要を陥れたあの関屋という検事も、絶対に許さない。
つかさは刑務所を出たその足で、東京地検に向かった。
東京地検の前で三時間待ち、関屋成史が出てきたところを捕まえた。
「関屋検事、あなたにお話があります」
関屋はつかさを見ると、怪訝そうに言った。
「あれ、今日は誰かと約束していたかな」
「私は美澄要の姉です」
「美澄……」
関屋はああ、と合点した。
「どこかで見覚えがあると思ったら、あの時叫んでいた女性か。何の用ですか、お姉さん」
「あの時あなたが提示した証拠は、偽の証拠ですよね」
「偽の証拠? 突然何を言い出すのですか」
「要を犯人にするためにでっちあげた証拠なんじゃないですか?」
関屋は怯むどころか、カラカラと笑っていた。
「ドラマの見過ぎですね、お姉さん。あれはこの私が調べ上げた正真正銘の証拠品ですよ」
「監視カメラ映像に細工をしたんじゃないですか?」
「お姉さん」