悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。


 それでつかさにあんな電話をよこしてきたのかと納得した。
 だが脅迫されていたとはいえ、祖父に怪我を負わせた罪はしっかり償ってもらわなければならない。


「但しつかさへの私恨があった供述もしているらしい。軽い傷害罪では済まないだろうな」
「私恨まれることした覚えないんだけど」
「僕と結婚したのが気に入らないらしい。妻に変なことを吹き込むなと釘を刺したのが仇になった」
「それはもう、知らないよね」


 つかさは呆れて肩を竦める。兎にも角にもまりえは然るべき法の裁きを受ける。
 もう気にする必要もない。


「内海の供述からあのバーのことも知った。内海も関屋と会った場所はあのバーだったそうだ」


 そこからバー・TRUMPについて調べ、経営者であるマスターには前科がありその件にも関屋が関係していることを突き止めた。
 それ以来関屋は何か聞かれたくない話がある場合、あの地下バーを利用している。

 地下バーは電波が通じない上に、監視カメラや盗聴器が仕掛けられている。
 正に密会には持ってこいの場所だというわけだ。


「つかさが昨日の夜に出かけると聞いた時、もしかして関屋に会いに行くのではないかと思った。ずっと様子がおかしかったし、脅されているのではないかとな」
「気づいてたんだね……」
「当たり前だろう」


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