悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。


 世界最大級の観覧車、シンガポールフライヤー。
 なんとこのカプセルに乗り込み、美しい夜景を観ながら優雅なディナーコースを味わうというスペシャルでロマンチックな時間を過ごせる。


「すごい! 観覧車の中で食事なんて夢みたい」
「調べてみたらディナーができると知って、せっかくならと思ってな」
「すごい、すごい! ありがとう頼くん」


 観覧車でのディナーを提案された時から魅力的に感じていたが、実際目の当たりにすると感動が止まらない。
 ゆっくりと天に向かって上昇していくたび、宝石をちりばめたような夜景が眼前に広がる。

 三百六十度に広がるマリーナのパノラマ夜景を、絶品ディナーとともに堪能する。
 こんなにロマンチックな体験ができるなんて夢にも思わなかった。


「なんかでも、ちょっと変な感じかも」
「どういう意味だ?」
「私ね、こういうロマンチックなディナーデートってずっと恋愛ドラマの世界のものって思ってたんだ。そもそもデートだってほとんどしたことないから、想像できなくて」


 美しい夜景を観ながらのオシャレなディナーデート。
 いつもの自分よりも綺麗に着飾り、大人な雰囲気で特別な時間を過ごす。

 だが、ずっと恋愛をしてこなかったつかさにとっては現実とは程遠くほぼ夢物語に思っていた。


「だから自分がこんなに素敵なデートしてるなんて、不思議な感じかも」


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