悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
成長していくにつれて家族ぐるみで遊ぶ機会は少なくなっていたが、つかさと頼久だけは一緒に勉強したりたまにどこかへ遊びに行くこともあった。
『ねぇ頼くん、太鼓の名人で勝負しよ』
『いいけど、何賭けるんだ?』
『負けたらアイス奢り』
『いいだろう』
ゲームで対決すれば、大体つかさが勝つ。
『やったー!! 私の勝ち!』
『もう一回だ』
『いいけど、次も勝ったらアイスもう一個ね』
『そんなの、知らん』
意外にも負けず嫌いで何度も勝負したがる。
その割にゲームは下手くそでいつも悔しそうにしている表情が、つかさにとってはかわいくてたまらない。
だけど、頼りになる一面もある。
『その問題の解き方は前にも教えただろう』
『もう忘れちゃったよ』
『全く……』
算数が苦手なつかさに何度も根気よく教えてくれる。
口ではやれやれと呆れつつ、決して突き放したりはしない。
つかさが理解するまでとことん付き合ってくれる。
『できたよ、頼くん!』
『よくできたな』
時折見せる優しい笑顔に、ドキッとさせられる。
頼久と一緒にいると楽しくて安心する。
頼久と一緒にいる時が、一番自然体の自分でいられる。
長女気質で世話焼きのつかさが、自然と甘えられる相手が頼久だった。
『頼くんって勉強好きだよね』
『好きなわけじゃない、必要だからしているんだ。僕の夢は弁護士だからな』