悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
「後で腰のマッサージするね」
「いつもありがとう、芯」
農家の仕事は重労働も多いため、体の整備もできるようにと整体師を目指した。
そんな弟がつかさは誇らしくてたまらない。
「小さかった芯ちゃんが立派になって!」
「やめてよ、姉ちゃん。僕もう二十三になるんだよ」
そうは言っても、七歳も年が離れているとつかさの中ではいつまでもかわいい弟なのだ。
夕方まで作業を終えたところで、今日はこれで終了した。
カフェは父の立樹と母のつぐみが閉店作業をし、みんなで自宅に帰ると祖母の美津子が夕飯を作ってくれている。
「みんな揃ったね。今日も一日お疲れ様」
食卓はみんなで囲む。それが美澄家のルールである。
「いただきます」
両手を合わせ、食事をいただこうとした時、廊下からバタバタという足音が聞こえた。
「ただいま!」
「なっ……要!?」
突然帰ってきたのは美澄家の長男で二歳下の弟・要だった。
要は東京で就職し、普段は一人暮らしをしているが久々に実家に帰ってきた。
「おっ、ばあちゃんの料理だ! うまそう!」
「ちょっと要! 帰って来るならちゃんと言ってよ」
「いいじゃん。肉もらいっ」
「それ私の!」