悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
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それから一週間後、二人は毎週水曜日に会うという約束を決めた。
水曜日は要の面会の日であり、つかさが千葉から東京に来る日だ。
常に多忙の頼久は週一で予定をつくるのもなかなかに困難だが、やらなきゃ進まないので毎週水曜日と取り決めることにした。
この日の水曜日は裁判だった。
頼久は担当検事として入ることになっており、つかさはせっかくなので裁判を傍聴した。
検事としての頼久を見てみたいと思い、少し緊張しながら傍聴席に座る。
「これより、被告人・小津彩子の裁判を開廷いたします。まずは検事、冒頭弁論をお願いします」
「はい」
頼久は立ち上がり、粛々と今回の事件について述べた。
「被害者は鳴橋周斗、二十六歳。職業はフリーター。被告人の元恋人です」
この事件は簡単に言えば、愛情のもつれによるストーカー殺人事件だ。
被告人と被害者は恋人同士だったが、半年前に別れている。
しかし被害者の鳴橋周斗は別れてからも、被告人の小津彩子にしつこく復縁を迫っていた。
所謂ストーカー行為も行っていたらしい。
ついに小津彩子を襲いナイフを突き立てようとしたが、揉み合って逆に刺されてしまったというものだった。
「被告人に殺意はありませんでした。これは正当防衛です」
それが弁護側の主張だった。