悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
芯はまだむすっとしていたが、一応納得してくれたみたいだった。
祖父母への挨拶も済ませ、とりあえずつかさの家族に挨拶という課題はクリアした。
次は頼久の家族への挨拶だ。つかさにとってはこちらの方が緊張した。
「とりあえず両親にだけ会ってくれるか」
「ご両親だけでいいの?」
「兄は独立しているし、妹はまだ大学生だし祖父は色々面倒だからとりあえず両親だけでいい」
面倒とはどういう意味だろうと気になりつつ、とりあえず了承した。
てっきり華麗なる永瀬一族全員と対面すると思っていたので、ちょっぴり安堵している。
約十数年ぶりの永瀬家は、懐かしさを感じながらも圧倒されるものがあった。
「親父、お袋、帰ったぞ」
「お、お邪魔します……」
「あらまあ、よくいらしてくださいましたね」
上品に出迎えてくれたのは頼久の母・美嘉だった。
その隣には父の章久もいる。
「ご無沙汰しております、美澄つかさです」
「お久しぶりです。随分と綺麗になられたのね」
「本当に。これは見違えました」
どうやら二人ともつかさのことを覚えていてくれたらしく、胸を撫で下ろす。
お土産に実家の梨を渡すと、大変喜ばれた。
「嬉しいわ。また美澄さんの梨が食べられるなんて」
「瑞々しくて絶品だからな。ありがとうございます、つかささん」
「いえ、こちらこそ」