悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
つかさは簡単だが夕食を作った。
頼久はいらないと言っていたので自分の分だけだが、余ったおかずを弁当箱に詰めた。
明日の昼ごはんとして持っていってもらおうと考えたのだ。
梨を切ってデザートも入れた。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい」
頼久が帰宅したのは二十一時過ぎだった。
リビングで棚の組み立てをしている時に帰ってきた。
「それ、買ったのか」
「棚くらいないとレイアウトも何もできないから」
「それは、悪かったな」
少しだけバツが悪そうな表情になったので、クスリと笑ってしまった。
「クローゼットやタンスは注文したの。オシャレでリーズナブルなやつ選んだから届くのが楽しみ」
「そうか。届いたら手伝う」
「大丈夫だよ。こう見えて力仕事は慣れてるんだから」
話をしている間に棚の組み立てが完成した。
「できた!」
「上手いものだな」
「これくらい簡単だよ。最近のインテリアは組み立てやすいようにできてるしね」
「うちの妹なら絶対できなくて泣きついてくるのがオチだぞ」
「妹さん……嘉那ちゃんだっけ? 嘉那ちゃんにも会いたいなぁ。そういえばね、今日ハルくんがお祝いにワイン持ってきてくれたの」
キッチンには小さいながらワインセラーがあり、惺久はその中に入れてくれた。
頼久はワインが好きで自分でも買ったりもらうこともあるらしく、常に何本かストックしてある。
ワインに詳しくないつかさは、どのワインが惺久からのプレゼントかわかるようにしっかり銘柄をメモしていた。