悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
* * *
一ヶ月後、とんでもないニュースが美澄家を揺るがした。
「つかさ! ど、どうしましょう……っ」
いつも通り、祖父や父と梨の収穫をしていたら突然母が真っ青な顔をしてやってきた。
芯は整体の仕事に行っている。
「お母さん、どうかしたの?」
「か、要がっ、要が……っ」
「落ち着いて。要がどうしたの?」
取り乱す母につかさは嫌な胸騒ぎがしていた。
「要が、逮捕された……っ」
「ええっ!?」
信じられない言葉に思わず梨を落としてしまった。
近くにいた父と祖父も駆け寄る。
「要が逮捕されたってどういうことなんだ」
「何かの間違いじゃないのか?」
「わからない……でもニュースで……」
母は震えながら膝から崩れ落ち、そのまま号泣し出した。
つかさはスマホを取り出し、SNSを開いた。ニュース速報が表示されており、震えながらタップしてみた。
《テシマホールディングス社長、遺体で発見。秘書の男を逮捕》
飛び込んできた見出しを見て、目眩がした。
テシマホールディングスは要が勤める会社だ。
秘書の男というのは……いや、そんなはずはない。
つかさは祈るような気持ちでニュース記事をスクロールしたが、逮捕された犯人の名前は、「美澄要容疑者(28)」と書かれていた。
「そ、んな……っ!」