悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
少しずつ元の幼なじみになれているのかと思うと嬉しい。
「やばい! めっちゃ美味しそう!」
パンケーキが運ばれてきた途端、つかさのテンションは頂点に達した。
巨峰、シャインマスカット、りんごやイチジクといった秋のフルーツが使われたミックスパンケーキは彩り豊かだ。
王道の苺パンケーキは最近トレンドの白い苺もあり、紅白のコントラストがかわいらしい。
言うまでもなく連写する手が止まらない。
「かわいいなぁ。映える盛り付けって大事だよね」
実家のカフェメニューの参考にしようと、角度を変えて何枚も撮影した。
「実家は、どうなんだ?」
頼久はじっとつかさの目を見つめる。
それだけで頼久が何を聞きたいのかわかってしまった。
「だいぶ売り上げ落ちちゃったんだよね……」
なるべく暗くならないように笑顔をつくったつもりだった。
つかさは農業をやらない時は自宅でPCに向かい、事務仕事をしている。
家族はPCに強くないため経理処理は主につかさが担っていた。
月の売上推移を見ていくと明らかに落ちている。
要が逮捕されてからみすみ梨園の評判はガタ落ちだ。
気にしないようにしていても、数字としてはっきり表れると落ち込む。
「でも大丈夫! 多分今だけだと思うし、そのうちみんな興味なくして忘れると思うんだ」
「つかさ、無理して笑うな」
「……っ!」