悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。


 *


「面白かったね!」


 映画を観終わったがまだ映画の世界にいるようなふわふわした感覚がした。

 選んだのは大人気のアニメーション映画。
 主人公である女の子が故郷を離れ、まだ見ぬ未知の世界に憧れて旅をする物語だ。

 道中には様々な出会いがあり、仲間ができる。
 だが順調な旅路ではなく、ピンチに見舞われることもあり時に仲間と衝突する。

 だがそれらを乗り越えて成長していく物語である。


「すっごく泣けた」
「そうか?」


 つかさは途中から涙が止まらずハンカチを濡らしたが、頼久は疑問符を浮かべていた。


「終始計画性がなくて行き当たりばったりすぎる。もう少し頭を使うべきだな」
「いいじゃない! そんなリアルなこと言わなくても」
「つまらなかったわけじゃないぞ。むしろ面白かった。特にあのボスの攻撃シーン、CG映像が見事だったな」


 物語よりも映像そのものに目を向けるところがなんだか頼久らしい。


「それと音楽が素晴らしかった」
「あーわかる! すっごくいいよね。サントラ欲しいなって思った」
「既にサブスクにあるぞ」
「えっ! 絶対聴く」


 つかさは早速映画のサウンドトラックをお気に入りに登録した。


「頼くん、ストーリーはいまいちだった?」
「主人公には正直共感できないが、途中で仲間になったはぐれものの少年」
「ああ、ラルフ」
「違う、もう一人の紫の髪の方だ」
「えっ、シャドウ? 裏切り者だった?」


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