前世での誓い
楽しくなかったのかな。逃げたいなんて、そんなふうには見えなかったけど。
犬みたいにキュルンとした目をして、髪の毛もパーマをかけているのか、緩くウェーブのかかった茶髪。さっきもだったけど、私を見てくる目が本当に犬に思えてくるほど純粋だ。
「さっきのお夏さんのことも、すみませんでした。忘れてください」
「お夏さん…。お夏さんではないですけど、名前は那津ですよ」
「え、本当に!?じゃあ僕が探してたのは、あなたです!」
…んん?私を探していた?すごく都合の良い解釈をされた気もするけど。
「信じてもらえないかもしれないけど、前世の僕があなたと出会えと言っていたので、ずっと探してました」
「前世…。すんなりとは信じられないです」
「ですよね、分かってます。それを承知であなたに話しかけたんで」
前世か。今は信じられないけど、犬みたいに純粋な目は惹きつけられるし、腕を引かれたり至近距離で話しかけられても、拒絶してしまうほどの嫌悪感は全くない。話の中身次第では、信じても良いかもしれない。
「僕の話、聞いてくれませんか?」
「…少しなら」