『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
(紗月の就業環境を少しでも良くしようと思っていたが、意味が無かったな)
それほど紗月はあの会社に追い詰められていた。もっと早く動いていればよかったと航生は後悔している。
「彼女が辞めた企業に興味はないが、せっかくだから全部膿を出してからうちの役に立ってもらう」
経営者は退陣させた。今は社員のそれぞれの〝業務実績〟を調査させている。特に管理職は厳格に対応し、今までの行動に見合った処遇を与えるつもりだ。
「難がありそうな人間は、年齢立場関係なく一からやり直させる。アラスカからアフリカまでうちは世界中に拠点がある。じっくり駐在させて素材調達に奔走してもらうか」
パソコンから目を離さずに答える航生に「怖いなぁ」と呟く土方。言葉とは裏腹にワクワクしているような声色なのは気のせいだろうか。
「で、ブラック企業を卒業できた奥様は落ち着きましたか?」
「だいぶ毒も抜けてきたようだ」
会社を辞めたからといって紗月がすべてから解放されたわけではなかった。
長く続いた身体的、そして精神的苦痛はしつこく紗月にこびり付いていた。当初食は細く、眠りも浅かった。
それほど紗月はあの会社に追い詰められていた。もっと早く動いていればよかったと航生は後悔している。
「彼女が辞めた企業に興味はないが、せっかくだから全部膿を出してからうちの役に立ってもらう」
経営者は退陣させた。今は社員のそれぞれの〝業務実績〟を調査させている。特に管理職は厳格に対応し、今までの行動に見合った処遇を与えるつもりだ。
「難がありそうな人間は、年齢立場関係なく一からやり直させる。アラスカからアフリカまでうちは世界中に拠点がある。じっくり駐在させて素材調達に奔走してもらうか」
パソコンから目を離さずに答える航生に「怖いなぁ」と呟く土方。言葉とは裏腹にワクワクしているような声色なのは気のせいだろうか。
「で、ブラック企業を卒業できた奥様は落ち着きましたか?」
「だいぶ毒も抜けてきたようだ」
会社を辞めたからといって紗月がすべてから解放されたわけではなかった。
長く続いた身体的、そして精神的苦痛はしつこく紗月にこびり付いていた。当初食は細く、眠りも浅かった。