『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
そのまま食事に誘い、カクテルを酌み交わしながら他愛のない会話を続ける。想い焦がれていた女性と向き合っている現実にどうしようもなく高揚した
しかし、紗月の現状を聞き出した航生は驚愕と怒りに捕らわれた。あまりにも酷い境遇だったからだ。パワハラに加えて、セクハラまでされている。そんな状況下に一秒も紗月を置いておけなかった。しかし、真面目な紗月は辞めるつもりはなさそうで、実家の借金の話を打ち明けてきた。
(借金なんて、俺が肩代わりすればいいだけだ。でも永井は簡単に受け入れてくれないだろう。どうすれば会社を辞めてくれる?)
冷静に対策を考えていようとしていた航生は、紗月が〝高校時代の初恋の人〟の話を持ち出してきた途端、余裕をなくした。
『さっき、恋人はいないって言ってたけど、もしかして、今でもその男を忘れられないのか』
『んー、どうだろう。でも、向こうが私に会いたくないって思っているのは確かかな』
切なげな顔で濁す紗月に兄のことだと直感した。紗月の恋心は本物で、一芝居打った〟と言っていた兄はそれを利用し踏みにじったに違いない。
しかし、紗月の現状を聞き出した航生は驚愕と怒りに捕らわれた。あまりにも酷い境遇だったからだ。パワハラに加えて、セクハラまでされている。そんな状況下に一秒も紗月を置いておけなかった。しかし、真面目な紗月は辞めるつもりはなさそうで、実家の借金の話を打ち明けてきた。
(借金なんて、俺が肩代わりすればいいだけだ。でも永井は簡単に受け入れてくれないだろう。どうすれば会社を辞めてくれる?)
冷静に対策を考えていようとしていた航生は、紗月が〝高校時代の初恋の人〟の話を持ち出してきた途端、余裕をなくした。
『さっき、恋人はいないって言ってたけど、もしかして、今でもその男を忘れられないのか』
『んー、どうだろう。でも、向こうが私に会いたくないって思っているのは確かかな』
切なげな顔で濁す紗月に兄のことだと直感した。紗月の恋心は本物で、一芝居打った〟と言っていた兄はそれを利用し踏みにじったに違いない。