『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
(たしかに、さっきの航生君は少し近寄りがたいオーラが出てた気がするけど、氷はちょっとオーバーだよね)
紗月は首を傾げつつ、エレベーターを降りた。
エントランスを出て、地下鉄の駅に向かう。ここに通勤するにあたり、航生から『俺と一緒に車で通勤すればいい』と言われたが、お断りした。一緒に車に乗っているのを従業員に見られたら、せっかく身分を隠している意味がなくなる。
だったら、タクシーで通うように言われたがそれも固辞している。電車で十五分の通勤に毎回タクシーを使うのはどう考えても贅沢だ。
同席していた土方はふたりのやりとりを見て、『奥様は常識のある方でよかったです』と苦笑していた。
(それに、少しでも体を動かしたいのよね)
エスカレーターではなく、あえて階段を下りホームに向かいながら紗月はさりげなく掌でウエストを擦る。今のところ想定外の脂肪はついていないようだが油断大敵だ。
航生は相変わらず紗月にスイーツを差し入れてくるし、外食にも頻繁に誘われている。
(ジムだけじゃ、追い付かなくなりそう。でも、航生君のチョイス、どれも私の好みを突いてくるから困るのよね)
紗月は首を傾げつつ、エレベーターを降りた。
エントランスを出て、地下鉄の駅に向かう。ここに通勤するにあたり、航生から『俺と一緒に車で通勤すればいい』と言われたが、お断りした。一緒に車に乗っているのを従業員に見られたら、せっかく身分を隠している意味がなくなる。
だったら、タクシーで通うように言われたがそれも固辞している。電車で十五分の通勤に毎回タクシーを使うのはどう考えても贅沢だ。
同席していた土方はふたりのやりとりを見て、『奥様は常識のある方でよかったです』と苦笑していた。
(それに、少しでも体を動かしたいのよね)
エスカレーターではなく、あえて階段を下りホームに向かいながら紗月はさりげなく掌でウエストを擦る。今のところ想定外の脂肪はついていないようだが油断大敵だ。
航生は相変わらず紗月にスイーツを差し入れてくるし、外食にも頻繁に誘われている。
(ジムだけじゃ、追い付かなくなりそう。でも、航生君のチョイス、どれも私の好みを突いてくるから困るのよね)