『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
いつも明るい両親や、憎めない姉、甘え上手な妹のことが紗月は大好きだ。家族も口うるさい紗月に対して嫌な顔をせず『紗月がいるから、うちはなんとかなってる。ありがとう』と感謝してくれた。
それに、家族全員が健康で笑って暮らせることがどれだけ幸せか、紗月は過去の経験から深く実感していた。
紗月が就職で家を出るころには母も徐々に家計の管理ができるようになり、その後、妹も無事社会人になった。もう大丈夫だろうと胸を撫でおろしていたのに、思ってもいない事態が起こった。
「父が叔父にお金を貸して逃げられたの」
紗月がやるせない息を吐くと、大須賀の眉がピクリと動く。
父の弟が実家に飲食店の開業資金を貸してほしいと頼み込んできたのは今から二年ほど前だった。
「一年で返せるからって頼みこまれたらしくて。でも、うちにはそんな余裕はなかったから……」
わずかな貯金だけでは足りず、父は消費者金融から借金し叔父に渡したが、直後から連絡がつかなくなったという。
「叔父は定職につかないくせにギャンブル好きで、借金を作ってはお父さんに頼る人だったのに……事前に相談してくれたら絶対に止めたんだけどね」
それに、家族全員が健康で笑って暮らせることがどれだけ幸せか、紗月は過去の経験から深く実感していた。
紗月が就職で家を出るころには母も徐々に家計の管理ができるようになり、その後、妹も無事社会人になった。もう大丈夫だろうと胸を撫でおろしていたのに、思ってもいない事態が起こった。
「父が叔父にお金を貸して逃げられたの」
紗月がやるせない息を吐くと、大須賀の眉がピクリと動く。
父の弟が実家に飲食店の開業資金を貸してほしいと頼み込んできたのは今から二年ほど前だった。
「一年で返せるからって頼みこまれたらしくて。でも、うちにはそんな余裕はなかったから……」
わずかな貯金だけでは足りず、父は消費者金融から借金し叔父に渡したが、直後から連絡がつかなくなったという。
「叔父は定職につかないくせにギャンブル好きで、借金を作ってはお父さんに頼る人だったのに……事前に相談してくれたら絶対に止めたんだけどね」