『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
「以前あなたに、航生君になにを与えられるか聞かれたとき、私は答えられなかった。本当になにも思い浮かばなかったから。でも、今は違う。たしかに私は航生君にもらってばかりだけど、才能と努力を信じて並んで歩いていくことはできます」
しっかり前を見据えて言い切ると、横から手を取られた。
「紗月は俺に存分に与えてくれています。幸福も、生きる意味もぜんぶ」
「は、バカバカしい」
理仁は鼻で笑い、口元を歪めた。
「あなたにわかってもらおうとは思いません。でも、俺にとっては真実です」
航生はそう言って、紗月の手を握る手に力を込めた。
「航生君……」
胸がいっぱいになった紗月は、彼の手をしっかり握り返す。すると、後ろで小さく咳払いが聞こえた。
「なんか、悪のボスに立ち向かう少年少女のアニメのクライマックスみたいになってますけど。このあと、ふたりで声を合わせて滅びの呪文とか唱えないでくださいよ」
振り返ると土方がやれやれという顔をしていて、紗月は手を握り合っている状況が途端に恥ずかしくなる。
「……土方、社長をここにお呼びしてくれ」
しっかり前を見据えて言い切ると、横から手を取られた。
「紗月は俺に存分に与えてくれています。幸福も、生きる意味もぜんぶ」
「は、バカバカしい」
理仁は鼻で笑い、口元を歪めた。
「あなたにわかってもらおうとは思いません。でも、俺にとっては真実です」
航生はそう言って、紗月の手を握る手に力を込めた。
「航生君……」
胸がいっぱいになった紗月は、彼の手をしっかり握り返す。すると、後ろで小さく咳払いが聞こえた。
「なんか、悪のボスに立ち向かう少年少女のアニメのクライマックスみたいになってますけど。このあと、ふたりで声を合わせて滅びの呪文とか唱えないでくださいよ」
振り返ると土方がやれやれという顔をしていて、紗月は手を握り合っている状況が途端に恥ずかしくなる。
「……土方、社長をここにお呼びしてくれ」