『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
航生は社長の懐刀として、粛々と仕事をこなし経験を積んでいくつもりだ――将来の経営者として。
「紗月、ごめん。あんな悪意の巣窟みたいな場所に付き合わせてしまって……嫌な気分になったよな」
パーティのときにも感じたが、仲のいい家庭で育った紗月にとって、大須賀家の歪んだ関係は、相当醜く映ったに違いない。
すると紗月は手に持っていたマグカップをテーブルに置いて、小さくかぶりを振った。
「言ったでしょ。航生君の才能と努力を信じて並んで歩いていくことはできますって。私もあなたと一緒に立ち向かっていきたいの。だから、今日はあそこにいられてよかったと思ってる」
澄んだ瞳で見つめられ、航生の胸は熱く震えた。
(そうだ、紗月は俺から離れないと言い切ってくれた)
兄に対峙する紗月の凛とした横顔を思い出し、改めて航生は、幸福そのものをこの手にしたと実感する。
「ありがとう……俺こそ、なにがあっても紗月を離さない。死んでも一緒にいるから」
心のままに肩を抱き寄せて、そのかわいらしい額に唇を押し付ける。すると、紗月はクスクスと体を揺らす。
「なんか、航生君って時々重い言い方をするよね」
「紗月、ごめん。あんな悪意の巣窟みたいな場所に付き合わせてしまって……嫌な気分になったよな」
パーティのときにも感じたが、仲のいい家庭で育った紗月にとって、大須賀家の歪んだ関係は、相当醜く映ったに違いない。
すると紗月は手に持っていたマグカップをテーブルに置いて、小さくかぶりを振った。
「言ったでしょ。航生君の才能と努力を信じて並んで歩いていくことはできますって。私もあなたと一緒に立ち向かっていきたいの。だから、今日はあそこにいられてよかったと思ってる」
澄んだ瞳で見つめられ、航生の胸は熱く震えた。
(そうだ、紗月は俺から離れないと言い切ってくれた)
兄に対峙する紗月の凛とした横顔を思い出し、改めて航生は、幸福そのものをこの手にしたと実感する。
「ありがとう……俺こそ、なにがあっても紗月を離さない。死んでも一緒にいるから」
心のままに肩を抱き寄せて、そのかわいらしい額に唇を押し付ける。すると、紗月はクスクスと体を揺らす。
「なんか、航生君って時々重い言い方をするよね」