『顔も見たくない』と振られた御曹司に十年越しで執着されていました
背は高いものの、猫背でひょろっとした体形。勉強もスポーツもすべて平均並み。友達はほとんどいないが、仲間外れになっているわけでもない。とにかく存在感が薄いいわゆる〝陰キャ〟だった。
学級委員をするなど、クラスの中心的な存在で友達も多かった紗月との接点はほとんどなかった。
しかし、ひょんなことから紗月は航生と個人的な交流を持ち、優しさに触れ、やがて異性として惹かれた。
真剣に好きだった。もしかしたら彼も自分を憎からず思ってくれているのでは。初めての恋に紗月は心をときめかせたが――最悪な形で終わりを迎える。
紗月は胸の痛みと共に目を閉じる。あれから十年もたっているのに、思い出すとまだ辛い。
(情けないな。島君はきっと私の存在自体、忘れているかもしれないのに)
小さくため息をつきながらグラスに手を伸ばす。久しぶりのアルコールのせいか、軽い酩酊感が体を包み始めていた。
「おねぇさーん、ひとりで飲んでるんですか?」
後ろの方から声がして、紗月は緩慢に振り返る。そこには若い男性がふたり立っていた。見たところ大学生だろうか。顔が赤くかなり酔っていそうだ。
学級委員をするなど、クラスの中心的な存在で友達も多かった紗月との接点はほとんどなかった。
しかし、ひょんなことから紗月は航生と個人的な交流を持ち、優しさに触れ、やがて異性として惹かれた。
真剣に好きだった。もしかしたら彼も自分を憎からず思ってくれているのでは。初めての恋に紗月は心をときめかせたが――最悪な形で終わりを迎える。
紗月は胸の痛みと共に目を閉じる。あれから十年もたっているのに、思い出すとまだ辛い。
(情けないな。島君はきっと私の存在自体、忘れているかもしれないのに)
小さくため息をつきながらグラスに手を伸ばす。久しぶりのアルコールのせいか、軽い酩酊感が体を包み始めていた。
「おねぇさーん、ひとりで飲んでるんですか?」
後ろの方から声がして、紗月は緩慢に振り返る。そこには若い男性がふたり立っていた。見たところ大学生だろうか。顔が赤くかなり酔っていそうだ。