極甘社長にほだされても二度と秘書はやりたくない
3.トラブル再び
土日は家の周辺の案内をしてもらったり、藤沢さんが行きつけのレストランへ連れていってもらったりした。
あまり大きなお店ではなく個人経営のお店が多く、あまり派手な行動は好きじゃないのかなと感じた。
前の会社の社長がいわゆる成金遊びをよくしていたので毒されているのかもしれない。
ここに入社して前の会社がおかしすぎたのでは?と感覚が麻痺していたことを思いしる。
(見ていた世界が狭かったのかもしれないなぁ……)
社長室で藤沢さんとスケジュールの確認をしながらぼんやりとそんなことを考えていた。
前の社長はふんぞり返って、生返事すらもせず、こっちの話を聞いているかも謎だった。
今思うとなんで一緒に住めていたのだろうとすら思うぐらいだ。そうか、家政婦程度だったんだなと一人納得する。
「そういえば、休職中の二宮だけど、戻ってくるのが1週間伸びたらしいんだよね」
「え、そうなんですか……」
「うん、申し訳ないんだけど、もう1週間お願いできるかな? その分うちにいてももらってもかまわないし」
「仕事はいいんですけど、さすがに家までお世話になるわけには…」
「うーん、ダメか。このまま住んでくれてもかまわないんだけどね」
残念そうに言ってくるので藤沢さんの本心がよくわからない。
ここまでくれば2週間も3週間も変わらないから仕事についてはかまわない。
でも姉は予定通り帰ってくるから藤沢さんの部屋は出ていくことになる。
いてもいいのなら、いたいと思うけれど…。
(でも、あの時みたいになるのは、やっぱり怖い……)
藤沢さんへの気持ちに気づいていないわけじゃない。
だからこそ、その気持ちを認めるのにはまだ時間がかかりそうだ。
微笑む藤沢さんに曖昧に頬を緩ませると誰かの急いだ足音が聞こえてきた。
「おい、ひろ……藤沢社長……とお前もいたのか。ちょうどいい、緊急会議だ」
「そんなに慌ててどうかしたの、滉」
「仕事では苗字呼びっつったのお前だろ」
「あぁ、ごめんごめん。それで、どうしたの宮川」
突然慌てて社長室に駆け込んできた男性に驚いていると藤沢さんが席を立った。
宮川という名前に聞き覚えがある。京都に出張にいっていた時に藤沢さんが電話をしていた相手だ。
この人が本来なら出張に行く予定だった開発部の人、という結論にたどり着く。
シャツの袖をまくり、首からかけた社員証は胸ポケットにしまわれている。
「他社から、今度うちで発表する予定の類似製品のプレスリリースが出た。とりあえず緊急会議だ」
「えっ……」
思わず私の方が声をあげてしまった。
類似製品ということもだが、ソフトウェア開発にはお金も時間もかかっている。
今作っているものが製品化できなければ会社的にも損失だ。
「……了解。広報の今野さんも呼んできて。あと坂井さんも参加してくれるかな?」
「あ、はい。わかりました」
「今野はもう呼んであるからあとはお前らだけだ。会議室Aだ。先に行ってる」
そう言うと、宮川さんはそのまま会議室のほうへ足早に向かっていってしまった。
ノートPCとノートとペンをも持って準備をする。
「ちょっと、ややこしいことになってきそうだね。さ、行こうか」
少し難しそうな顔をしている藤沢さんを見て、何か私にできることはないだろうかと気を引き締めた。
あまり大きなお店ではなく個人経営のお店が多く、あまり派手な行動は好きじゃないのかなと感じた。
前の会社の社長がいわゆる成金遊びをよくしていたので毒されているのかもしれない。
ここに入社して前の会社がおかしすぎたのでは?と感覚が麻痺していたことを思いしる。
(見ていた世界が狭かったのかもしれないなぁ……)
社長室で藤沢さんとスケジュールの確認をしながらぼんやりとそんなことを考えていた。
前の社長はふんぞり返って、生返事すらもせず、こっちの話を聞いているかも謎だった。
今思うとなんで一緒に住めていたのだろうとすら思うぐらいだ。そうか、家政婦程度だったんだなと一人納得する。
「そういえば、休職中の二宮だけど、戻ってくるのが1週間伸びたらしいんだよね」
「え、そうなんですか……」
「うん、申し訳ないんだけど、もう1週間お願いできるかな? その分うちにいてももらってもかまわないし」
「仕事はいいんですけど、さすがに家までお世話になるわけには…」
「うーん、ダメか。このまま住んでくれてもかまわないんだけどね」
残念そうに言ってくるので藤沢さんの本心がよくわからない。
ここまでくれば2週間も3週間も変わらないから仕事についてはかまわない。
でも姉は予定通り帰ってくるから藤沢さんの部屋は出ていくことになる。
いてもいいのなら、いたいと思うけれど…。
(でも、あの時みたいになるのは、やっぱり怖い……)
藤沢さんへの気持ちに気づいていないわけじゃない。
だからこそ、その気持ちを認めるのにはまだ時間がかかりそうだ。
微笑む藤沢さんに曖昧に頬を緩ませると誰かの急いだ足音が聞こえてきた。
「おい、ひろ……藤沢社長……とお前もいたのか。ちょうどいい、緊急会議だ」
「そんなに慌ててどうかしたの、滉」
「仕事では苗字呼びっつったのお前だろ」
「あぁ、ごめんごめん。それで、どうしたの宮川」
突然慌てて社長室に駆け込んできた男性に驚いていると藤沢さんが席を立った。
宮川という名前に聞き覚えがある。京都に出張にいっていた時に藤沢さんが電話をしていた相手だ。
この人が本来なら出張に行く予定だった開発部の人、という結論にたどり着く。
シャツの袖をまくり、首からかけた社員証は胸ポケットにしまわれている。
「他社から、今度うちで発表する予定の類似製品のプレスリリースが出た。とりあえず緊急会議だ」
「えっ……」
思わず私の方が声をあげてしまった。
類似製品ということもだが、ソフトウェア開発にはお金も時間もかかっている。
今作っているものが製品化できなければ会社的にも損失だ。
「……了解。広報の今野さんも呼んできて。あと坂井さんも参加してくれるかな?」
「あ、はい。わかりました」
「今野はもう呼んであるからあとはお前らだけだ。会議室Aだ。先に行ってる」
そう言うと、宮川さんはそのまま会議室のほうへ足早に向かっていってしまった。
ノートPCとノートとペンをも持って準備をする。
「ちょっと、ややこしいことになってきそうだね。さ、行こうか」
少し難しそうな顔をしている藤沢さんを見て、何か私にできることはないだろうかと気を引き締めた。