極甘社長にほだされても二度と秘書はやりたくない
「ん……」
身体に重みを感じてうっすらと意識がはっきりをしてくる。障子ごしに外が明るくなっているのが分かった。
(あれ、私……どこにいるんだっけ……?)
友達の家? ネットカフェ?
いや違う。何か暖かな温もりに包まれていると感じながら目を覚ますと……。
(えっ……!)
目を空けるとそこにはすうすうを寝息を立てている藤沢社長の顔があった。
一瞬何が起こったかわからずに思わず自分の格好を確認する。浴衣は着ている、下着も着ている。問題ない。じゃゃあ何が起こったのかと視線を彷徨わせると、乱れている隣の布団が視界に入る。
(藤沢社長、もしかして寝相が悪い……?)
冷静に頭の中で考えつつも、「寝るだけだからいいか」と気楽に考えていた自分を殴りたくなる。
けれど、こうして誰かの温もりを感じるのは久しぶりで、心地よい暖かさも程よい重みも、眠気を誘ってきて……。
(って、このままじゃダメだってば……)
重くなる瞼を起こしながら藤沢社長の腕をぺしぺしと叩いてみる。
「社長、起きてください。藤沢しゃちょー……」
「ん……もう少し、だけ……」
さらにぎゅっと抱きしめられてしまい、今度は頬をぺちぺちと叩いてみる。
「もう少しも何も起きてくださいってば!」
意外とがっしりとした腕だなとか良い香りがするとか、ドキドキと胸がたかっているのを誤魔化すように藤沢社長を起こし続けた。
いくら叩いてみても起きない藤沢社長と格闘すること30分。
ようやく目を覚ました彼はぼーっと私を見つめたあとににこりと微笑んだ。
(な、なんだろう……寝ぼけてるのかな……?)
じっと見つめていると何も言わずに藤沢社長はそのまま洗面所へと消えていった。
「おはよう。やっぱり温泉旅館はいいね。よく眠れた気がする」
「はは……そう、ですね……」
そして今。目の前に豪華な朝食があると言うのに意識は藤沢社長ばかりに向いている。
確かに美味しいご飯に暖かい温泉に浸かってふかふかの布団で寝るとすっきりとする。
あの目覚めさえなければ……と思いながらも、社長が何も気にしていない様子なので、私も気にしない方がいいのかもしれない。
「そうだ、今日は休みだし少し京都観光してから帰らない?」
「え、いいんですか……?」
「いいっていうか、一人だと寂しいし、坂井さんさえ良ければぜひ」
「いきます! 京都に来たのも久しぶりで……」
思いもよらぬお誘いに心が浮き足立つ。
さすがにこのまま帰るのはもったいないと思っていたところだった。
一人で観光することにも慣れているけれど、誰かがいた方がお店に入るのも敷居が低いし子の誘いに乗らない手はなかった。
「ふふ、それじゃそこにいこうか。急な出張になっちゃったお詫びとお礼も兼ねて」
その言葉通り、藤沢社長は色々と調べながら行きたいところを案内してくれた。
急な出張のお詫びとばかりにお土産をたくさん買ってくれて、至れり尽くせりといったところだ。
身体に重みを感じてうっすらと意識がはっきりをしてくる。障子ごしに外が明るくなっているのが分かった。
(あれ、私……どこにいるんだっけ……?)
友達の家? ネットカフェ?
いや違う。何か暖かな温もりに包まれていると感じながら目を覚ますと……。
(えっ……!)
目を空けるとそこにはすうすうを寝息を立てている藤沢社長の顔があった。
一瞬何が起こったかわからずに思わず自分の格好を確認する。浴衣は着ている、下着も着ている。問題ない。じゃゃあ何が起こったのかと視線を彷徨わせると、乱れている隣の布団が視界に入る。
(藤沢社長、もしかして寝相が悪い……?)
冷静に頭の中で考えつつも、「寝るだけだからいいか」と気楽に考えていた自分を殴りたくなる。
けれど、こうして誰かの温もりを感じるのは久しぶりで、心地よい暖かさも程よい重みも、眠気を誘ってきて……。
(って、このままじゃダメだってば……)
重くなる瞼を起こしながら藤沢社長の腕をぺしぺしと叩いてみる。
「社長、起きてください。藤沢しゃちょー……」
「ん……もう少し、だけ……」
さらにぎゅっと抱きしめられてしまい、今度は頬をぺちぺちと叩いてみる。
「もう少しも何も起きてくださいってば!」
意外とがっしりとした腕だなとか良い香りがするとか、ドキドキと胸がたかっているのを誤魔化すように藤沢社長を起こし続けた。
いくら叩いてみても起きない藤沢社長と格闘すること30分。
ようやく目を覚ました彼はぼーっと私を見つめたあとににこりと微笑んだ。
(な、なんだろう……寝ぼけてるのかな……?)
じっと見つめていると何も言わずに藤沢社長はそのまま洗面所へと消えていった。
「おはよう。やっぱり温泉旅館はいいね。よく眠れた気がする」
「はは……そう、ですね……」
そして今。目の前に豪華な朝食があると言うのに意識は藤沢社長ばかりに向いている。
確かに美味しいご飯に暖かい温泉に浸かってふかふかの布団で寝るとすっきりとする。
あの目覚めさえなければ……と思いながらも、社長が何も気にしていない様子なので、私も気にしない方がいいのかもしれない。
「そうだ、今日は休みだし少し京都観光してから帰らない?」
「え、いいんですか……?」
「いいっていうか、一人だと寂しいし、坂井さんさえ良ければぜひ」
「いきます! 京都に来たのも久しぶりで……」
思いもよらぬお誘いに心が浮き足立つ。
さすがにこのまま帰るのはもったいないと思っていたところだった。
一人で観光することにも慣れているけれど、誰かがいた方がお店に入るのも敷居が低いし子の誘いに乗らない手はなかった。
「ふふ、それじゃそこにいこうか。急な出張になっちゃったお詫びとお礼も兼ねて」
その言葉通り、藤沢社長は色々と調べながら行きたいところを案内してくれた。
急な出張のお詫びとばかりにお土産をたくさん買ってくれて、至れり尽くせりといったところだ。