愛なんて要らないから


「……俺は、美羽のこと、信じたかったのに」

 皓太さんが現れたことで、冷静さを取り戻した様子の大和が、ぽつりと呟いた。


「噂じゃなくて、悠を信じたのに。新しい男までいるなんて、やっぱりそういう女だったんじゃん……」

 大和は下を向いてゆっくりと立ち上がり、そのまま背を向けて歩き出した。


 そんな大和の後ろ姿を見て、胸が痛む。

 私のこと、少しでも信じてくれたんだ……。


 だけど、だけどね。

 先に私を裏切ったのは、悠なんだよ。

 悠は、私と付き合っていたはずなのに、幼馴染の萌ちゃんと婚約していたんだから。

 だから悠のそばに萌ちゃんがいるのなら、もう私は必要ないでしょ?

 私がどこの誰と、どんなことをして過ごそうが勝手じゃない?自由じゃない?

 私には全く関係ないよ。

 私と悠は、とっくに終わっているんだから。


< 11 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop