愛なんて要らないから
「皓太さん、本当はこのあと誰かと予定があったんじゃないんですか?」
「ん?予定?何もないけど?」
きょとんとした顔でそう言った皓太さん。
その表情や声色から、皓太さんが嘘をついている感じはしないけど、それなら尚更、疑問に思うことがあった。
「じゃあ、なんであそこにいたんですか?」
だって、偶然にしては不自然。
あそこはホテル街だから一人で歩くような場所ではないし、誰かと会う予定がないのなら、どうしてあんな場所にいたのか気になって仕方がなかった。
「陽ちゃん、何かドリンクお願い。二つともノンアルで。あとバタピーも」
「かしこまりました」
皓太さんはさくっと注文をして、ふーっと深呼吸をすると、スマホを操作し始めた。
「この前、美羽ちゃんが寝てる間にこのアプリいれておいたんだよね」
そう言って見せられたのは位置情報共有アプリの画面。
自分のスマホを取り出して、スマホをくまなく探すと、たしかに自分では入れた覚えのないアプリが入っていた。