愛なんて要らないから

3



 私には、悠《はるか》という恋人がいた。

 彼は中学の同級生で、高校大学は別だったけど、大学を卒業後、偶然同じ会社に入社することになり入社前の研修で再会した。

 悠は私の初恋の人だった。

 そして悠からも私が初恋だったと言われ、再会して想いが再燃した私たちは付き合うことになった。


 でも配属先が遠く離れてしまい、いきなりの遠距離。

 それから約一年、遠距離でお付き合いをし、悠の配属が私の勤務地の近くに異動になるというので、結婚を前提に同棲をする予定だった。


 お互いの休みがなかなか合わず、月に一度、会えるか会えないかだった私たち。

 同じ会社だから忙しさは分かっていたし、私よりも悠の方が忙しい部署だと知っていたから、会えないことに不満なんてなかった。

 悠が仕事を頑張る理由も、私のいる勤務地に異動願を出すためだと言われて、それを信じて疑わなかった。

 だけど、会えなかった本当の理由は、幼馴染で元カノの萌ちゃんと過ごすのに忙しかったから。


 私がそれを知ったのは、結婚を前提とした同棲だからちゃんと話をしたいと、悠から少し高級なレストランに誘われて約束していた日のこと。

 そう。私が陽さんのバーにフラリと入って、皓太さんと出会ったあの日のことだった。



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