愛なんて要らないから
「男の人って、可愛くて守りたくなるような子が好きじゃないですか。私、昔から気が強くて可愛げがないって言われることが多くて」
現に、悠が選んだのは私ではなく萌ちゃんだった。
だから、そんな私なんかのことをって。
正直、皓太さんの言葉が信じられないというよりも、自分に自信がない気持ちの方が強い。
「まあ、それは好みの問題なんじゃない?ずっと好きだった子も美人で気が強かったし、俺の好みがそういう子なのかもしれない」
ふわり、優しく笑った皓太さん。
好きだった人のことを思い浮かべて笑ったであろう皓太さんは、いつもよりずっと柔らかい笑みをしていた。
「そういう子に振り回されるの、嫌じゃないんだよね。俺の周り、みーんな自由だったから。こう見えて俺はいつも振り回されてた側」
「……皓太さんが、振り回される側?」
信じられない。こんなに強引な人が……。
益々この人のことが分からなくなっていく。
「親友は自由すぎて、最愛の人を病気で亡くしたからってあとを追って死んだの、ここで」
そう言いながら皓太さんは駐車場に車を停めた。
目の前に広がるのは、丸い月の明かりに照らされた海だった。
「親友が死んで二年。ここには来ることができなかったんだけど、美羽ちゃんとなら大丈夫かな、なんて思って」
また泣きそうな笑みを浮かべた皓太さん。
彼に、そんな過去があったなんて……。