愛なんて要らないから
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次の日、約束の時間ぴったりに迎えにきてくれた皓太さんの車に乗って、地元の大きな病院に向かった。
車で3時間の距離なのに、皓太さんが話しかけてくれたおかげで、変に緊張することなく無事に地元に着くことができた。
病院の駐車場に車を停めて、正面玄関を入ってすぐの受付前のロビーの椅子に皓太さんと二人で座る。
受付で悠の名前を伝えたところで、入院しているかどうか教えてもらうことはできないだろうから、私にできるのは病院に出入りする萌ちゃんの姿を探すことくらいしかない。
だけど大きな病院とあって人が多く、やっぱり萌ちゃんを見つけられないかもしれないと、心が折れそうになった時のことだった。
「あの……安藤美羽さん、ですか?」
「はい。そうですが……」
一人の女の人に声をかけられたけれど、その人の顔に見覚えは全くない……。
でも、私が安藤美羽だと肯定すると、その女の人は今にも泣きそうな顔をした。
「私、天野悠の妹です。あなたのことを待っていました」
「悠の……」
「お兄ちゃんに会いにきてくれたんですよね?お兄ちゃん、ずっと美羽さんのこと待っていますよ」
「あの、私、悠に会ってもいいんですか?」
「当たり前です。一緒に行きましょう」
優しい笑みでそう言った悠の妹さん。頬にできたえくぼは悠と一緒だった。
そして、ちらりと私の隣にいる皓太さんの方に目を向けたのを見て、私はどう説明するか悩んでしまう。
「俺は悠さんと同じ会社の人間です」
皓太さんはにこりと笑い、共通の知り合いであるように振る舞ってくれた。