愛なんて要らないから
「皓太さんは自分を頼ってくれる人を探しているんでしょう?誰でもいいなら、私じゃない人にしてください」
「……俺の望む存在にはなれないって、そういうことね」
そう呟いた皓太さんは、車椅子から手を離す。
「まあ確かに、条件としては妹ちゃんでもいいのかもしれないね」
皓太さんは私の目の前に来ると、そこにしゃがみ、下から私の顔をじっとみつめている。
数秒、何も言葉を交わすことなく、ただ静かにこちらをみつめる視線からは、皓太さんが何を考えているのか全く読み取れない。
「でも、妹ちゃんにはこんなことしたいって思わない」
皓太さんの顔が近付いて、優しく唇を重ねられた。
一度、そっと触れて離れて、再び重ねられた時は、少し唇を味わうようにキスをされる。
こうして優しくキスをされていると、思い出すのは皓太さんに抱かれたあの日の夜のこと。
あの夜も、優しく、優しく触れてくれたことを。
本当は分かっていた。皓太さんが私に向けている感情が、誰でもいいから、なんて簡単なものじゃないことを。
誰でもいいからと、たくさんの男の人と行為して感じていた。皓太さんとの行為は、性欲を満たすためだけの行為とは違ったこと……。