私を言葉で抱く年下作家の溺愛
分かっている。でも、それと同時に——

私は、ここにいないことになっている。

そんな感覚が、胸に残る。

そして——取材は、夜にも及ぶようになった。

「え?また取材が来てるの?」

思わず、声が出る。

すると蓮は、少しだけ面倒そうに肩をすくめた。

「俺を取り囲んで、夕食を食べたいんだと」

「……なにそれ」

呆れたように言う。でも、彼は否定しない。

「まあ、仕事だからな」

さらりと答える。そして、当然のように受け入れる。

——この人は、取材を断らない。

少しでも、稼ぎたいから。

それは、分かっている。理解もしている。でも——

「すまん」

支度をしながら、蓮が言った。

「今夜は、自分の家に帰ってくれるか?」
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