私を言葉で抱く年下作家の溺愛
表情を崩さずに聞き返す。内心、少しだけざわつく。

「編集長が」

ゆっくりと言葉を選ぶように。

「ため息ばかりついてるって」

——ドクン。心臓が、わずかに跳ねる。

「……仕事が立て込んでいますから」

即座に返す。隙を見せないように。

すると田辺は、くすっと笑った。

「そういう顔じゃないだろ」

視線が、鋭くなる。逃げ場がない。

言葉が出ない。ほんの一瞬の沈黙。

それだけで、見透かされる。

「君はさ」

少しだけ、声を落とす。周囲には聞こえないように。

「もっと上手くやるタイプだと思ってたけどな」

——その言葉、胸の奥に刺さる。

「何のことですか」

私は視線を外さずに言った。崩さない。絶対に。

すると田辺は、わずかに笑った。
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