私を言葉で抱く年下作家の溺愛
そこにいたのは、田辺。

いつの間にか、ドアの前に立っていた。

「……なに」

ゆっくりと歩み寄る。視線が、二人の間を行き来する。

「そういう仲?」

軽い口調。でも。その一言で、空気が凍る。

私は、何も言えなかった。言い訳も。

すると田辺は、そのまま椅子を引いた。

そして——私と蓮の間に、座る。

遮るように。完全に。

「へえ」

腕を組む。わずかに、口元を歪める。

「面白いな」

その言葉に、背筋が、ぞくりとする。

蓮は何も言わない。でも空気が、変わっている。

さっきまでの柔らかさが消えて。

明確な緊張。対峙する気配。

そして——もう、隠せない。

ここで何かが、決定的に変わる。

そんな予感だけが、はっきりとあった。
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