私を言葉で抱く年下作家の溺愛
短く答える。もう、隠せない。

逃げられない。

「……言われたの」

ぽつりと、落とす。

「仕事か恋愛か、どちらか選べって」

その言葉に、背後の気配が、変わる。

「……決まってるだろ。俺だ」

——その一言。胸が、強く揺れる。

でも、私は首を横に振った。

「……無理よ」

声が、少し震える。

「今の仕事辞めて、他の仕事なんて……できない」

ここまで積み上げてきたもの。

全部、捨てるなんて。できるはずがない。

すると——後ろから、抱きしめられた。

強く、逃がさないように。

「……今夜で終わらせるつもり?」

耳元で、低く問われる。

「……うん」

小さく頷く。それしか、できない。
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