私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「……これでいいのよ」

小さく、呟く。誰にも聞こえない声で。

自分に言い聞かせるように。

仕事を選んだ。それが、正しい。

そう思うしかない。

でも——胸の奥に残る熱だけは、どうしても、消えてくれなかった。

そして打ち合わせを終えた木原君が、そっと一枚の紙を差し出してきた。 

「編集長、これ」

妙に、丁寧に折りたたまれている。

「……なに、それ」

顔を上げる。すると彼は、少しだけ笑った。

「手紙です」

「手紙?」

不思議に思いながら、受け取る。紙の重みが、やけに現実的だった。

ゆっくりと開く。

そこにあった文字を見た瞬間——息が止まる。

蓮の字。見慣れた、少し癖のある筆跡。
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