私を言葉で抱く年下作家の溺愛
その日——打ち合わせ室に現れた蓮は、明らかにいつもと違っていた。

ハイブランドのスーツ。

細身の体に、驚くほどよく似合っている。

整えられた髪。どこか余裕のある立ち姿。

まるで——別人みたいに、完成されていた。

「雨宮先生、今日決め込んでますね」

木原君が嬉しそうに言う。蓮は、軽く笑った。

「まあね」

そして、さらりと続ける。

「大事な日にしたいから」

——その一言で、空気が、変わる。

彼の手には、小さなブーケがあった。

控えめなのに、目を引く。

その意味が、嫌でも伝わってくる。

胸が、ざわつく。視線を逸らせない。

すると木原君が、わざとらしく声を上げた。

「編集長」

にやりと笑う。
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