私を言葉で抱く年下作家の溺愛
その意味が、分かる。分かってしまう。

「梨沙」

名前を呼ばれる。その声が、優しくて。

でも、逃がさない。私は、ゆっくりと腕を伸ばした。

そして——彼の腕に、自分の腕を重ねる。

「……こういうの、慣れてないのよ」

小さく呟く。すると彼は、少しだけ笑った。

「これから慣れればいい」

さらりと言う。その言葉に、胸が跳ねる。

「今夜は」

歩き出しながら、彼が言った。少しだけ低い声で。

「特別な日になるよ」

——ドクン。心臓が、大きく鳴る。

その意味を、考えないようにする。

でもどうしても、考えてしまう。

期待。不安。全部が混ざる。

それでも、隣にいるのは、この人で。

その腕に、こうして触れていて。それだけで、分かる。
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