私を言葉で抱く年下作家の溺愛
苦笑しながらも、どこか嬉しそうに頷いていたあの表情。

「……もう」

思わず、笑ってしまう。

呆れて。でも、嬉しくて。

「なあ、梨沙」

彼が、そっと手を取る。強くもなく。でも、離さないように。

「結婚しよ」

——その言葉。シンプルで。真っ直ぐで。

何一つ飾っていないのに、どうしようもなく、胸に響く。

私は、ゆっくりと息を吸った。仕事も。立場も。迷いも。

全部、ここにあった。

でも——それでも、選びたいと思った。

この人を。この未来を。

「……うん」

小さく、頷く。それだけで、十分だった。

——ああ。終わりじゃなかった。ここからが、始まりなんだ。

「責任、取ってもらうからね」

すると彼は、すぐに答える。

「当たり前だろ」

その言葉が、何よりも、安心できた。
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