私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「誰に恋愛するか決めろって、昨日言ったじゃないですか」

「ああ……」

確かに、言った。言ったけれど。

「それで?」

「書きやすいんですよ」

さらりと言う。

「年上で、ちゃんと自立してて」

少しだけ、彼はこちらを見る。

「でも、どこか隙がある人」

——ドクン。心臓が、強く鳴る。

「……それは、一般論?」

冷静に聞き返す。けれど、彼の声が少しだけ低くなっていた。

「さあ」

彼は曖昧に笑う。

「どうでしょうね」

……ほんとに。逃げ道を残す言い方。

でも分かってしまう。

少なくとも、完全な“フィクション”ではない。

私は、ただ。仕事で来ただけ。

進捗を確認するために。それだけのはずなのに。

でも答えは、分かっている。

進捗なんて、口実。

本当は——この目に、もう一度会いたかった。
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