私を言葉で抱く年下作家の溺愛
私は、ゆっくりと——雨宮蓮の隣に寄った。

距離が、ほとんどなくなる。

「編集長?」

低い声。驚きと、わずかな緊張。

なのに。彼は、一歩も動かない。

逃げない。そのことが、逆に私の背中を押した。

そっと、腕を伸ばす。彼の首元に、触れる。

体温が伝わる距離。

「私が——」

自分も、少しだけ息が浅くなる。

「書かせてあげようか」

彼の瞳が、わずかに揺れた。

「……書かせる?」

問い返す声は、静かだった。

「どうやって?」

その問いに。私は、もう迷わなかった。

顔を近づける。そして——唇を重ねた。

それだけなのに。空気が、変わった。

「……私との恋愛をそのまま書けばいい」

唇を離して、囁く。

言葉にした瞬間、自分でも分かる。

これは、ただの提案じゃない。

踏み込んでいる。彼の世界に。
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