私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「でしょう?」

彼の視線を受け止める。

逃げない。むしろ、見せつけるように。

ゆっくりと、彼に近づく。距離が消える。吐息が重なる。

指先で彼の胸元をなぞると、彼が小さく息をついた。

「じっとしていて」

耳元で囁く。

そのまま、彼の上に覆いかぶさる。

彼の体温が、直に伝わってくる。

熱い。思っていた以上に。

「これが、年上の女よ」

そう言いながらも、内側では、自分の鼓動が速くなっているのが分かる。

余裕なんて、完璧じゃない。

でも——主導権は、渡さない。

彼は無表情を装っている。けれど。

触れれば分かる。その奥にある熱。抑えきれない感情。

「……はぁ……」

ふと、力が抜けそうになる。

その瞬間、彼の腕が、私の体を支えた。

ぐっと、その腕に引き寄せられる。
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