私を言葉で抱く年下作家の溺愛
食後の空気は、どこか柔らかかった。

テレビもつけず、ただ向かい合って座る。

それだけなのに、落ち着く。

「……私」

ぽつりと、口にしていた。

「追いかけてもらったこと、ないかも」

自分でも、少しだけ意外な言葉だった。

彼は、少し考えるようにしてから言う。

「梨沙さんは深いから」

「……深い?」

眉をひそめる。

「男がびびるんですよ」

あっさりとした口調。

でも、その言葉に。少しだけ、胸がざらつく。

「……何それ」

視線を外して、グラスを手に取る。

「私が好きすぎるってこと?」

少しだけ、拗ねたような言い方になった。

すると彼は、くすっと笑う。

「今だってそうでしょ」

軽く言う。

「……あんた、俺のこと好きじゃん」

——言葉が、詰まった。
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