私を言葉で抱く年下作家の溺愛
「ね。明日は土曜日でしょ」

彼が、グラスを揺らしながら言った。

「……ええ」

私もグラスに口をつける。

アルコールが、ゆっくりと身体に広がる。

「仕事、休みでしょ」

「そうね」

分かっていて聞いている声。

その意図も、なんとなく分かる。

「ゆっくり泊まっていけばいい」

さらりと言う。あまりにも、自然に。

「……簡単に言うのね」

少しだけ笑って返す。

でも、その“簡単さ”に、どこか救われている自分がいる。

「簡単っすよ」

彼は、当たり前みたいに言った。

「好きな男の家に泊まるのなんて」

——その一言で。逃げ道が、消える。

視線が絡む。逸らせない。帰る理由が、見つからない。

いや——最初から、なかったのかもしれない。

彼が、静かに立ち上がる。そして、私の隣に座る。
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