私を言葉で抱く年下作家の溺愛
彼は、静かに布団を敷いてくれた。

一つしかない布団。それだけで、妙に現実味が増す。

「体、冷える前に入って」

穏やかな声に促されて、私はそっと中へ滑り込んだ。

少し遅れて、彼も入ってくる。

すぐ隣。近い。彼の腕が、自然と枕になる。

「……近いね」

思わず呟く。

「……そうね」

自分でも、少し声が小さくなる。

「電気、消そうか」

彼が一度体を起こす。

パチ、とスイッチの音。

部屋が暗くなる。何も見えないはずなのに。

そこに、彼がいるのが分かる。

呼吸。体温。すぐそばにある存在。

「梨沙さん」

暗闇の中で、名前を呼ばれる。

少し低くて、柔らかい声。

「……なに」

小さく返す。すると、間を置かずに聞かれた。

「今日も、抱いていいですか」

その言い方に、胸がわずかに揺れる。
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