私を言葉で抱く年下作家の溺愛
自然に出た言葉。すると彼は、ふっと笑った。

「無理じゃないっすよ」

軽く首を振る。

「楽しいんで」

その一言に、少しだけ胸が揺れる。

「……そう」

短く返す。すると彼は、私をじっと見た。

「梨沙さん」

名前を呼ぶ、少しだけ、柔らかい声。

「あんた、いい女だよ」

——ドクン。心臓が、静かに鳴る。

「一緒にいると、想像が膨らむ」

私は、ゆっくりと微笑んだ。

「それは、よかったわ」

あくまで、余裕を崩さずに。

でも、その言葉は、確実に残る。

食事を終えると、時間が、現実に戻そうとする。

「じゃあ」

立ち上がって、帰る準備をする。

玄関に向かう足が、少しだけ重い。

「また来いよ」

後ろから、声がかかる。

振り返ると、彼は、当たり前みたいに立っていた。

「……ああ、うん」
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