私を言葉で抱く年下作家の溺愛
軽く答える。

「そのうち」

すると彼は、少しだけ眉をひそめた。

「そのうちじゃなくて」

一歩、近づいてくる。距離が、また縮まる。

「仕事終わったら、来いよ」

命令でもないのに。逆らえない。

「……分かった」

小さく頷く。それで、十分だった。

彼は満足そうに笑った。

その顔を見て、胸の奥が、また少しだけ温かくなる。

翌週の金曜日。

彼は、約束通り原稿を仕上げてきた。

「第一稿です」

そう言って差し出されたデータ。

私は何も言わず、それを開いた。

——タイトル、「教室の女神」

年上女性教師と、生徒だった青年の再会。

そして、始まる恋。……なるほど。

設定はシンプル。

でも。読み進めた瞬間、分かる。

これは——ただの物語じゃない。
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