私を言葉で抱く年下作家の溺愛
そこにあるのは、確かに、作品。

でもそれ以上に——私達の時間。私の感情。

全部が、書かれている。

週が明けて、私は、当たり前のように蓮の家に向かっていた。

ここ一週間——ほとんどの時間を、この場所で過ごしている。

もう、迷いはなかった。インターホンを押す前から。

ここに来る理由も、分かっている。

ドアが開くと、軽く言う彼。

「来た」

部屋の中に入ると、開口一番に彼は言った。

「読んだ?」

「うん」

短く答える。

「どうだった?」

その問いに、少しだけ言葉を探した。

その瞬間——後ろから、腕が回る。

彼に抱きしめられた。

自然に、まるで、当たり前みたいに。

少しだけ、息が詰まる。

でも、もう拒まない。

「……自分の恋愛みたいで」

小さく呟く。

「恥ずかしかった」

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