私を言葉で抱く年下作家の溺愛
あの人の中にあったものを。

そして——引き出されたのは、私の方でもある。

ふと、視線を上げる。

離れた場所で、蓮がスタッフと話している。

もう。ただの“売れない作家”じゃない。

確実に、何かが変わった。

「編集長。雨宮蓮、やりましたよ」

木原君が、勢いよく一枚の書類を差し出してきた。

私はそれを受け取り、目を通す。

——出版社別売上ランキング。
——書店別売上ランキング。

どちらにも、同じタイトルが並んでいた。『教室の女神』

しかも——1位。

「……これ、本当なの?」

思わず、声が低くなる。

現実味が、少しだけ遅れて追いついてくる。

「またまた」

木原君は、笑いながら言う。
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