私を言葉で抱く年下作家の溺愛
その一言に、胸が、ぎゅっと締めつけられる。

ああ、この人。ずっと、ここを目指してたんだ。

「……でしょ?」

私は笑った。

「だから言ったじゃない。売れるって」

すると彼は、ゆっくりと顔を上げた。

そして——ぱっと、表情が明るくなる。

「……やったな」

その一言に、思わず笑ってしまう。

「ええ、やったわね」

自然に、手が伸びた。

パチン、と軽く音が鳴る。ハイタッチ。

その瞬間、空気が弾けたみたいに、軽くなる。

週末の金曜日。私は蓮を誘って、レストランに来ていた。

少し照明を落とした店内。静かに流れる音楽。

いつもの彼の部屋とは、まったく違う空気。

「……いつもこういう場所来てんの?」

席に着くなり、蓮が周囲を見渡しながら言う。

「たまにね」
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