私を言葉で抱く年下作家の溺愛
グラスに水が注がれるのを見ながら答える。

「へえ」

軽く頷いてから、ちらりとこちらを見る。

「他の男とだったりして」

——その一言に。私はゆっくりと視線を上げた。

「……何?嫉妬?」

少しだけ、睨む。すると彼は、くすっと笑った。

「なんだよ、図星じゃん」

「違うわよ」

はっきりと言い返す。そしてグラスを持ち上げる。

「今日は、あなたのお祝いに連れて来たの」

その言葉に、一瞬、彼の表情が変わった。

そこで——不意に、腕を引かれる。

ぐっと距離が縮まる。

「……ありがたいって、思ってるよ」

耳元で、低く囁かれる。その声が、妙に近くて。

胸が、わずかに揺れる。

顔を上げて、改めて彼を見る。
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