私を言葉で抱く年下作家の溺愛
少しだけ強気に言う。すると彼は、ふっと笑った。

「そこは否定しない」

そのやり取りが、妙に、心地いい。

でも——その奥で。ほんの少しだけ。何かが、揺れていた。

「私はただ……」

グラスを指先でなぞりながら、言った。

「仕事をしただけ」

その言葉に、空気が、ぴたりと止まる。

「……ただ?」

蓮の声が、低くなる。

視線が、まっすぐに突き刺さる。思わず、たじろぐ。

でも、逸らさない。逸らしたら、負ける気がした。

「仕事ってだけで」

一歩、距離を詰めてくる。逃げ場が、なくなる。

「寝ないだろ。普通」

——その一言。

胸が、強く締めつけられる。

私は、何も言わずにワインを一口飲んだ。

誤魔化すみたいに。でも。

誤魔化せていないのは、自分が一番分かっている。
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