私を言葉で抱く年下作家の溺愛
逃げ場がない。

「どこもかしこも、俺のものだよ」

その一言で、思考が、止まる。

強い。でも。どこか優しい。

拒めない。むしろ——受け入れてしまう。

そのまま、抱き寄せられる。

逃げられない距離。

でも、もう、逃げる気はなかった。

——ここが、私の居場所になっていく。

「ほら、横になって」

蓮の手が、そっと背中を支える。

抵抗する気もなく、私はそのまま、布団の上に身を預けた。

薄明かりの中。彼の輪郭が、ゆっくりと浮かび上がる。

近い。近すぎるくらいに、彼が近い。

「……今」

低く、囁かれる。

「俺のことしか考えてないだろ」

その言葉に、私は小さく頷いた。

否定なんて、できない。

もう——本当に、それしかない。
< 83 / 150 >

この作品をシェア

pagetop