私を言葉で抱く年下作家の溺愛
気づいてしまう。はっきりと。

もう、誤魔化せない。

目を閉じる。彼の腕の中で。

完全に、身を委ねる。

「梨沙っ」

優しく、名前を呼ばれる。

「私……もうっ……」

言葉にならない。息が乱れて、うまく続かない。

「いいよ。そのままいって」

すぐに、低く返ってくる。

「違うの……」

必死に何かを伝えようとした瞬間——ふっと、彼の動きが止まった。

静かな間。でも、逃げ場はない。

「……どうした」

近くで、問いかけられる。その声が、優しすぎて。

もう隠せないと思った。

「……もう」

かすれた声で、呟く。

「放れられない」

——その一言で空気が、変わった。

次の瞬間、激しく体を打ち付けられる。

さっきまでとは違う。はっきりとした熱。

「蓮っ……」

名前を呼ぶと、すぐに返ってくる。
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